オリビアのミステリー
アルトロン  発売日:94.2.4  機種:SFC

数あるSFCソフトの中でも、ひときわ異彩(異様)を放つソフト、それがこの「オリビアのミステリー」です。
2chでスレが立ったものの、たったの3レスでdat落ちしたという、ある意味伝説の持ち主です。

ゲームの内容は、いたってシンプルなジグゾーパズルですが、描かれている絵が動いているのが特徴です。
これがなかなか難しい!
ピースは別段変な形ではないのですが、絵が動いてしまうので半ば推理しながらのプレイとなります。
絵のスピードが速いステージは目がくらんでしまって、非常に大変です。
しかもお手本が無い。
これはつらい。
絵のつながりを推理するだけでなく完成図まで推理しなければならないので、二重に苦労です。
肝心の絵ですが、すごい美麗なグラフィックではなく、よく言えば、大変「味のある」グラフィックなので、
人によっては「三重苦」です(笑)
さらに、このゲームには「ダミーピース」なるものが存在し、
本物のピースと絵がまったく同じなのに、正しい場所にはめ込んだときに爆発して、まわりのピースを吹き飛ばしてくれます。
なめてるのか
一体どうやって見分けろと言うのでしょう?
ダミーに引っかかってしまった場合は、運が悪かったと思ってあきらめてください、ということでしょうか。
そのうえ、後半、それまでかかった時間によって話が分岐するというオマケ付き。
グッドエンドを見ようと思ったら、おちおち考えている暇もありません。

さて、このゲームを伝説たらしめているもう一つの要因があります。
それはパズルの合間に導入される「ストーリー」。
これがもう、全部平仮名で読みづらいわ、飛ばせないどころかスピードも早められないわ、
しかも内容が、これまたよく言えば、「独創的」で「奇想天外」で、
悪く言えば(それが一般的意見でもある)「電波」な内容&語り口調。
先ほどのグラフィックと相まって、晴れて伝説(クソゲー)の仲間入りというわけです。

などと書きましたが、実は私はこのゲーム大好きであります。
独創的で奇想天外で、ちょっと昔の空想科学小説を思い出させる、素朴な味のあるストーリー。
完成を予想しながら、絵のつながりを推理て組み立てていく動くパズル。
非常に味のある、陳腐なグラフィックでも、完成するとちょっとうれしい。
近年の無駄に大作志向なゲームに慣れすぎたせいか、
こういったチープで、手軽にできて手軽にやめられる、規模の小さいこのようなゲームが、とてもいい物に感じられます。
というのは褒め過ぎか

忘れてはならないのが、音楽。
決して豪華ではないけれど、素朴で、物語のそれぞれのシーンにマッチした、良質の音楽です。

オリビアのミステリーのミステリー

1.説明書のミステリー
さて、この世の多くの製品には、取扱説明書なるものがついてきます(私は大抵読みません)。
ゲームソフトにも必ずといっていいほど付いており、その例に漏れず、このソフトにも勿論付いています。
この説明書、なかなか面白いです。
伝説の「テンゲンの説明書」程ではないですが、くだけた語り口調には親しみが持てます。
ミステリーはここから。
この説明書、なぜか後ろ半分が英語です。
「FOR SALE and USE IN JAPAN ONLY」と書かれているので、外国へ輸出されたのではないのでしょうが…。
外国で発売する時のための布石?ただのオマケ?
詳細をご存知の方がいらっしゃったら、ぜひご教授ください。

2.パズル博士
  誰だよ(笑)
パッケージの後面に、「博士もオススメ」などと書かれて登場しています。
博士曰く、
1.1人でも2人でも、ハタマタ子供でも 思わず夢中の単純明快ルールであーる。
2.豊かな想像力を養う知育性もバッチリであ〜る。
3.遊びすぎ注意報として画面右上にプレイ時間も表示しているのであ〜る。
   …だそうです。
ちなみに、ゲーム中には一切登場しません。

3.オリビアって誰?
このゲームのタイトルは「オリビアのミステリー」なわけですが、
ゲーム中、「オリビア」なる単語は一度も出てきません。
私は「オリビアさんが考えたお話」なんだと、ずっと思ってました。
このゲーム最大のミステリーは、「オリビアって誰だ?」ということでした。

…と思っていたら、答えは意外と簡単に見つかりました。
答えのありかは先ほど言及した、説明書の英訳部分にあったのです。

日本語:「皇帝の娘を助けねばならない」
     そう、勝手に信じ込んだ男が、世界の果てへと旅に出る。
英 語:You have to help the Princess Olivia!
     You will go forward, fearless and strong, to the four corners of the earth if necessary.

つまり、主人公が助ける皇帝の娘こそがオリビアさんだったわけです。
…ゲーム中で名前、呼ばれてなかったんだなぁ…。

ということは、「オリビアって誰!?」という疑問を解決するために、
説明書の英訳が付いていた、ということなのでしょうか?

クリア画像集

全文  読みやすいように手を加えてあります。


WE WILL BE BACK
エンディングの最後にこう表示される通り、このゲームには続編が存在します。
一つは同じくスーパーファミコンで発売された、「うごく絵ver.2.0 アリョール」。
今作以上にロシア色の濃い、これまた素敵な作品です。
もう一つは、なんとPC98シリーズで発売されてました。
「ウゴクエVer.1.5 オリビアのミステリー」。
とりあえず「出ている」という事実は掴みましたが、内容など一切わかりません。
誰か教えてください(笑)


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